
目次
12.所定休日と法定休日との区別についての対応
参考就業規則条文
第○○条(労働時間、休憩および休日)・・・陸上貨物運送業
1.~4. 省略
5.休日は、1ヵ月を通じて8日~9日とし、次のとおりとします。
(1)事務部門
①日曜日(法定休日)
②1週間の範囲内で個別に指定する1日
(2)運輸部門
①日曜日(法定休日)
②1ヵ月に範囲内で個別に指定する4日または5日の休日
(3)共通の休日
①年末年始 12月30日から1月4日まで
②夏季 8月13日から8月16日まで
③その他 とくに指定する休日
第○○条(労働時間、休憩および休日)・・・建設業
1.~3. 省略
4.休日は、週休2日制を原則として次のとおりとします
(1)事務部門
①日曜日(法定休日)
②土曜日(ただし、祭日がある週は、出勤とする。)
(2)工事部門
①日曜日(法定休日)
②1ヵ月に範囲内で個別に指定する4日または5日の休日
(3)共通の休日
①国民の休日
②年末・年始 12月30日から1月4日まで
③夏季 8月13日から8月16日まで
第○○条(休日)・・・社会福祉施設(私立保育所)
休日は、次のとおりとします。
(1)日曜日(法定休日)
(2)国民の祝日
(3)指定休日 個人別に月2日
(4)年末・年始 12月30日から1月4日まで
(5)夏季 8月13日から8月16日まで
(6)開園記念日 10月3日
(7)その他、臨時に指定する日
2.前項第3号の指定休日は、少なくとも前月末日までに定めます。
第○○条(休日)・・・商業(一般商店)
休日は、次のとおりとします。
(1)週休 1週につき1日の個人別休日(法定休日)
(2)指定休日 1ヵ月に4日または5日の個人別休日
(3)年始 1月1日から1月3日まで
(4)夏季 7月21日から9月20日までの間、個人別に4日
2.週休日および指定休日は、毎月20日までに翌月(21日~翌月20日)の
個人別休日表を作成し、本人に通知します。
3.業務の都合、その他やむを得ない事由がある場合には、予告のうえ、前項の
休日を振り替えることがあります。
【対応のポイント】
①法定休日と所定休日
労働意基準法35条1項は、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の
休日を与えなければならない。」と休日付与の原則について定めるとともに、同2項
では、「前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用し
ない。」と、この原則を変形することを認めています。したがって、法定休日とは、週に
1回または4週に4日与える休日のことをいいます。そして、この休日に労働させたとき
は、3割5分増以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要になります。
これに対して、所定休日とは、事業場ごとに定められた休日のことです。この休日は、
1週1回または4週4日の法定日数より少なく定めることはできませんが、この基準以上
であれば、その与え方は任意とされています。たとえば、日曜日等の特定の曜日については
毎週休日とするほか、土曜日や国民の祝日、さらに年末年始、夏休みなどに休日を設けます。
②法定休日の特定は必要か
土曜日に日曜日に加えて祝日も休日としている場合には、どの日が法定休日かという問題が
起こりますが、労働基準法は1週1日または4週4日と定めているだけで、法定休日の曜日
の特定までは要求していません。したがって、この場合、1週間に1日の休日が確保されて
いれば、法定休日に労働させたことにはならず、法定休日の労働は発生せず、また、3割5分増の
割増賃金の支払いも必要ないことになります。
※行政通達では、「3割5分以上の割増賃金率の対象となる休日が明確になっていることが望ましい。」
としています。
投稿者のプロフィール

- 社会保険労務士
-
500社以上の就業規則を診断してきた社労士です。
事業所の複雑化する労務管理対策に“気付き”与えるために、常に最新の情報を発信しております。
急激な時代の変遷に伴う「働き方改革」に即対応策を!
新しい投稿
お役立ち記事2023年9月15日企業の安全配慮義務について
お役立ち記事2023年8月29日労務管理
賃金体系に関すること2023年8月20日最低賃金
お役立ち記事2023年8月15日労務管理
【無料】事務所だよりを受け取る場合は・・・
・就業規則で点検すべき箇所がわかる!無料チェックリスト
・実際にあった!危ない就業規則の事例集
・これなら大丈夫!良い就業規則の事例集
などを、事務所便りとしてお送りしています。
最新の人事・労務管理全般の情報をお求めなら、ぜひご登録ください。