
目次
15.ダラダラ残業をなくす対応
参考就業規則条文
第○○条(時間外労働・休日労働および深夜勤務)
会社は、業務上必要あるときは、別に定める労使協定の範囲内で、所定時間外・休日
および深夜勤務を命じることがある。
2.前項による勤務を命じられた者は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。
第○○条(残業の事前承認・確認)
従業員が所定労働時間を超えて勤務する場合には、所属長から事前に時間外労働の可
否および時間外労働時間数についての許可を得なければならない。やむを得ない事由が
ある場合には、事後承認も認めるものとする。
2.従業員は、業務の遂行に必要な時間数を超えて時間外労働の申請をしてはならない。
3.所属長の許可を得ずして、時間外労働または休日出勤をしても、会社は原則としてこ
れを労働時間としては取り扱わない。
第○○条(タイムカードによる労働時間管理)
労働時間の管理は、原則としてタイムカードによるものとする。ただし、タイムカー
ドの打刻時間が正確でないものと認められるときは、その所属長の把握する時間とする。
第○○条(遵守事項)
従業員は、勤務にあたり、次の事項を遵守しなければならない
(1)会社の許可なく終業時間後、職場その他の会社施設に滞留しないこと。
(2)会社構内または施設内において、会社の許可なく業務と関係のない活動を行わな
いこと。
(3)勤務に関する手続きその他の届出を怠り、または偽らないこと。
(4)職場において、電話、電子メール、パソコン等を私的に使用しないこと。
第○○条(在社の禁止)
会社は、前条各号に違反した従業員に対して、所定労働時間外・休日の在社を禁止する。
2.会社は、前条各号に違反する在社を認めた場合、所定時間外含め、これに対応した時
間分の賃金を支給しない。
第○○条(管理職の遵守事項)
管理職は、勤務にあたり、次の事項を行ってはならない。
(1)勤務に関する続きその他の届出を怠り、または偽ること。
(2)過少、過多にかかわらず、部下等の勤務時間について会社に対し異なる報告を行
わせること、または部下等の勤務時間管理に適切さを欠き、適性に支払うべき賃金
を支払わないこと。
第○○条(ノー残業デーの設定)
毎週○曜日は、原則としてノー残業デーとする。やむを得ない事由があり、残業を行
わせた場合は、当月末日までに人事管掌部門にその事由等を報告する。
第○○条(長時間労働問題に係る人事管掌部門の対応)
人事管掌部門は、恒常的に長時間在社ないし労働する従業員がいる職場を発見した場
合には、本人もしくはその関係者に対して、長時間在社ないし労働の原因となっている
事情が明らかとなるよう、必要な調査を行うことができる。
2.前項に定める長時間在社ないし労働は、月間法定時間外労働数が100時間以上もし
くは直近3カ月を平均して同時間数が80時間以上のものをいう。
第○○条(産業医面談・安全配慮措置)
人事管掌部門は、把握した残業時間数が前月100時間または直前3カ月を平均して
80時間を超えた従業員に対して産業医面談の機会を与える。
2・産業医は、前項の面談の結果、従業員に健康障害のおそれがあり、健康配慮措置を講
じる必要があると思料した場合は、速やかに人事管掌部門に対し報告する。
【対応のポイント】
①残業事前申請ルールを機能させるには?
残業事前申請ルールの規定で、無許可の残業があった場合に、当該規定を根拠に
残業代を支払わずにいると、賃金不払いとされるリスクがあります。近時の裁判
例では、使用者が明確な残業命令を発していなかったケースであっても、所定時
間を超えて労働せざるを得ない仕事を命じたこと自体をとらえて「黙示の残業命
令」があったと推認し、残業代の支払いを命じる場合が多いためです。規定を設
けても制度が形骸化し、無許可でのダラダラ残業が継続して行われていては、法
的リスクは解消されません。事前の申請・承認のない残業は行わせない運用をす
ることが必要です。
それでは、残業事前申請ルールを機能させるには、次の4点セットの対応が有効
です。
①労働時間数の適性把握
②残業禁止命令の発出
③懲戒ルールの策定
④職場風土の見直し
使用者としては、所定労働時間を超える業務があると予想される場合には、他の
従業員に応援をさせるとか、従業員の残業を許可した場合でも、申告した残業時
間を超えるならば、当該従業員に対し、翌日に繰り延べるよう指示して退去させ
るなど、適切な処置をとるべきである。また、労働時間管理は、使用者の責任で
あることを再認識し、無理、無駄な残業をさせないことが肝要です。
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投稿者のプロフィール

- 社会保険労務士
-
500社以上の就業規則を診断してきた社労士です。
事業所の複雑化する労務管理対策に“気付き”与えるために、常に最新の情報を発信しております。
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