
目次
過労死、過労自殺等に係る裁判例
横浜南労基署長(東京海上横浜支店)事件
【事案の概要】続き
(結論)
Xの基礎疾病の内容、程度、Xが本件くも膜下出血発症前に従事していた業務の内容、態様、
遂行状況等に加えて、脳動脈りゅうの血管病変は慢性の高血圧症、動脈硬化により増悪するもの
と考えられており、慢性の疲労や過度のストレスの持続が慢性の高血圧症、動脈硬化の原因の一
つとなり得るものであることを併せ考えれば、Xの右基礎疾患が右発症当時その自然の経過に
よって一過性の血圧上昇があれば直ちに破裂を来す程度にまで増悪していたとみることは困難と
いうべきであり、他に確たる増悪要因を見いだせない本件においては、Xが発症前に従事してい
た業務による過重な精神的、身体的負荷がXの右基礎疾患をその自然の経過を越えて増悪させ、
右発症に至ったものとみるのが相当である。
【本判決の意義】
過労死についての過重労働について、判決当時の認定基準は、過重勤務は、前日または当日、
それがない場合でも発症日から1週間前になくてはならず、それより前は付加要因にすぎない
ものとされていたが、本件のXは、慢性の疲労や慢性のストレスの持続を原因として基礎疾患の
自然的経過を超えて増悪させたとして業務上の判断をしたことは画期的である。疲労・ストレス
の蓄積を認める考え方であり、その後、過労死の認定基準が直前の6か月間の過重労働を脳血管
疾患、虚血性心疾患の発症の原因として扱う改正(平成13年)につながった。
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投稿者のプロフィール

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