労働紛争

目次

過労死、過労自殺等に係る裁判例

電通事件

【事案の要旨】(つづき)
 (3)過失相殺について
  ①うつ病親和性について
   ある業務に従事する特定の労働者の性格が同種の業務に従事する労働者の個性の
  多様さとして通常想定される範囲を外れるものでない限り、その性格及びこれに基
  づく業務遂行の態様等が業務の過重負荷に起因して当該労働者に生じた損害の発生
  又は拡大に寄与したしたとしても、そのような事態は使用者として予想すべきもの
  ということができる。労働者の性格が前記の範囲を外れるものではない場合には、
  裁判所は、業務の負担が過重であるであることを原因とする損害賠償請求において
  使用者の賠償すべき範囲を決定するに当たり、その性格及びこれに基づく業務遂行
  の態様等を、心理的要因として斟酌することはできない。
  ②原告らが両親としてAと同居していたといえ、Aの勤務状況を改善する措置を採り
  得る立場にあったとは、容易にいうことができない。

 【本判決の意義】
  本判決は過重労働でのうつ病等の精神疾患に関心して、使用者の安全配慮義務違反に
 よる債務不履行責任を認めたことは極めて重大な意義があった。また、Aがまじめに仕
 事をため込むタイプの労働者であるという性格(うつ病親和性)は、それが通常想定さ
 れる範囲を外れるものでない限りは過失相殺の対象とならないことを明らかにした。

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投稿者のプロフィール

赤津 秀夫
赤津 秀夫社会保険労務士
500社以上の就業規則を診断してきた社労士です。

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