
目次
日本の賃金制度の歴史
日本の賃金制度の歴史は長い間にわたって進化してきました。以下に、主な時代ごとの要点
を紹介します。
江戸時代(1603年-1868年):江戸時代には、武士や農民などの身分制度が厳格に存在し、
賃金制度はあまり一般的ではありませんでした。農民は土地所有者に対して労働を提供し、
対価として食料や住居を受け取る形態が主流でした。一方、商工業者は商売の利益を得ること
が主な収入源でした。
明治時代(1868年-1912年):明治時代に日本は近代化を進め、西洋の制度や思想が導入さ
れました。この時期には賃金制度が普及し始めました。労働者は労働力を提供し、対価として
金銭を受け取る形態が一般的となりました。しかし、労働条件や労働者の権利保護はまだ不十
分でした。
大正時代(1912年-1926年):大正時代には、産業労働者の労働条件改善の要望が高まりました。
労働争議が頻発し、労働組合の形成が進みました。1911年には、日本最初の労働組合組織である
「日本労働組合総同盟」が結成されました。
昭和時代(1926年-1989年):昭和時代には、労働基準法や労働組合法などの法律が制定され、
労働者の権利保護が強化されました。賃金制度も進化し、昇給制度やボーナス制度などが一般化
しました。また、戦後の高度経済成長期には、労働者の需要が高まり、賃金水準も上昇しました。
平成時代(1989年-2019年):平成時代には、労働環境の多様化やグローバル化の進展に伴い、
賃金制度も多様化しました。企業によっては業績連動型の賃金制度を導入するなど、パフォーマ
ンスに応じた報酬体系が広まりました。
令和時代(2019年-現在):令和時代に入ると、労働者の働き方の多様化が進んでいます。フレッ
クスタイム制度やテレワーク制度など、柔軟な働き方が広まりました。また、働き方改革の一環と
して、労働時間の短縮や労働条件の改善が進められています。
賃金制度も変化しています。一部の企業では、給与体系を見直し、能力や成果に基づく評価制度や
報酬制度を導入しています。また、最低賃金の引き上げや非正規雇用労働者の待遇改善など、労働
者の賃金水準向上に向けた取り組みも行われています。
さらに、デジタル技術の進歩により、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどを活用した新
たな賃金支払いシステムも模索されています。これにより、労働者の賃金の透明性や安全性が向上
することが期待されています。
ただし、現在も賃金格差や労働条件の不平等などの課題も残っています。労働者の権利保護や働き
方改革の推進は、今後も重要なテーマとなるでしょう。政府や労働組合、企業などが協力して、よ
り公正かつ持続可能な賃金制度の確立に向けた取り組みが進められています。
就業規則に関するご相談・お悩み又はその他労務管理に関するお悩みごとは、
和歌山で業歴17年(就業規則が 得意分野)の当事務所にご連絡・ご相談ください。
まずは、「無料相談30分」ボタンまたは「お問い合わせ」ボタンをクリックしてみ
てください。
投稿者のプロフィール

- 社会保険労務士
-
500社以上の就業規則を診断してきた社労士です。
事業所の複雑化する労務管理対策に“気付き”与えるために、常に最新の情報を発信しております。
急激な時代の変遷に伴う「働き方改革」に即対応策を!
新しい投稿
お役立ち記事2023年9月15日企業の安全配慮義務について
お役立ち記事2023年8月29日労務管理
賃金体系に関すること2023年8月20日最低賃金
お役立ち記事2023年8月15日労務管理
【無料】事務所だよりを受け取る場合は・・・
・就業規則で点検すべき箇所がわかる!無料チェックリスト
・実際にあった!危ない就業規則の事例集
・これなら大丈夫!良い就業規則の事例集
などを、事務所便りとしてお送りしています。
最新の人事・労務管理全般の情報をお求めなら、ぜひご登録ください。