厚生労働省が2024年度に実施する地方労働行政の運営方針について、主に、「同一労働同一賃金」を守るための取り組みを強化し、非正規雇用労働者の待遇改善を目指しています。
具体的には、労働基準監督署が企業を定期的に監督する際に、パートや有期雇用労働者(非正規労働者)の待遇を確認し、その情報を元に都道府県労働局の雇用環境・均等部門が「報告徴収」を行います。「報告徴収」とは、企業に雇用管理の実態を報告させる手続きです。
また、正社員と非正規労働者の間で基本給や賞与に待遇差がある場合、その理由を企業が説明できないと、労働基準監督署が企業に対して文書で改善を要請する仕組みです。この取り組みは、違反の可能性がある企業に対して報告徴収を行い、違反が見つかれば是正指導を強化することで、効果的に改善を促します。
さらに、2023年4月から11月の期間で、この報告徴収の件数が大幅に増加し、その結果、多くの企業が指導を受けたと報告されています。今後も、企業が待遇差の理由を説明できない場合、改善を促し、応じない企業に対してはさらに厳しい対応を検討する方針です。
要するに、厚生労働省は「同一労働同一賃金」を徹底するために、企業の待遇差の是正をより厳格に監視・指導する体制を強化しているということです。