長崎労働局の労働基準監督署が、県内の事業所における長時間労働の実態を調査し、その結果を発表した内容について報じています。ポイントをわかりやすく説明します。
1. 調査の背景
労働者から「長時間労働があるのではないか」という申告があったため、労働基準監督署は疑いのある事業所を対象に調査を行いました。調査対象は、長崎県内の277の事業所です。
2. 調査の結果
調査の結果、118の事業所で違法な時間外労働や休日労働が確認されました。違法とは、労働基準法が定める上限時間を超えて労働をさせていたことを指します。
過労死ライン(月80時間以上の残業)を超える事業所: 44か所
月100時間超えの残業: 25か所
月150時間超えの残業: 6か所
このように、多くの事業所で法を超えた長時間労働が行われていたことが判明しました。
3. 過労死ラインとは?
過労死ラインとは、長時間労働が原因で過労死が発生する可能性が高くなる目安として、月80時間以上の時間外労働(残業)を指します。これを超える労働を続けると、心身の負担が大きくなり、健康リスクが高まるとされています。
4. 是正勧告とは?
労働基準監督署は、違法な長時間労働が確認された事業所に対して「是正勧告書」を交付しています。これは、労働基準法に基づく違反を指摘し、労働環境の改善を求める文書です。是正勧告を受けた事業所は、法に基づいた労働時間に是正しなければなりません。
5. 違法労働時間の深刻さ
特に、月150時間超えの残業は深刻な問題です。これは1か月でおおよそ1日あたり5時間以上の残業に相当し、従業員の健康への影響が非常に大きいと考えられます。
長崎県内の事業所における労働環境がいかに厳しいかを浮き彫りにしており、労働基準法の遵守と労働者の健康保護の重要性を示しています。