1か月単位の変形労働時間制における時間外労働の考え方をわかりやすく説明します。
基本的な考え方
1か月単位の変形労働時間制は、特定の期間において労働時間を柔軟に調整する制度です。しかし、以下の条件を満たす場合は、時間外労働となり、割増賃金が必要です。
1日の労働時間が8時間を超える
例えば、ある日8時間以上働いた場合、その超えた時間が時間外労働となります。もし、就業規則や労使協定で1日9時間まで働くことが定められている場合、その9時間を超えた部分が時間外労働になります。
1週間の労働時間が40時間を超える
1週間の総労働時間が40時間を超えた場合、その超えた部分が時間外労働となります。特例事業場(中小企業など)は44時間が基準となります。
1か月全体で法定労働時間の総枠を超える
1か月単位で見たとき、法定労働時間(1週間40時間)をもとにした総枠を超える場合、その超えた部分も時間外労働となります。例えば、1か月の所定労働時間が160時間だとして、実際に働いた時間がそれを超えた場合、その超えた時間が時間外労働となります。
具体例
仮に以下のようなスケジュールで働いていたとします。
第1週:所定労働時間40時間
第2週:所定労働時間38時間
第3週:所定労働時間42時間
第4週:所定労働時間36時間
第5週:所定労働時間16時間
この例では、週によって労働時間が異なりますが、総労働時間が1か月の法定労働時間枠を超えなければ、時間外労働は発生しません。しかし、各日の労働時間が8時間を超えた場合や、1週間で40時間を超えた場合は、それが時間外労働となります。
注意点
所定労働時間は、会社や労使協定で決められた1日や1週の労働時間です。これを超えた場合も、時間外労働となる可能性があります。
法定労働時間を超えた部分に対しては、割増賃金(時間外労働の賃金)が必要です。
以上が1か月単位の変形労働時間制における時間外労働の基本的な考え方です。