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中小企業が労務管理のDXを推進する際の障壁要因

労務管理

中小企業が労務管理のDXを推進する際の障壁要因

2024年10月23日
中小企業が労務管理のDXを推進する際、いくつかの障壁が存在します。それらの要因を詳しく説明します。

1. コスト負担
中小企業にとって、労務管理のDXを導入する際の初期費用や運用コストは大きなハードルです。労務管理システムや勤怠管理ツールを導入するためのライセンス料や、システム運用にかかる維持費が、中小企業にとっては重い負担となりがちです。

導入初期費用:システムの導入や設定に専門のベンダーを雇う必要がある場合も多く、そのための初期投資が必要です。
月額の利用料:クラウドベースのサービスは月額費用がかかるため、従業員数が多くなるほどコストが増える傾向があります。

2. デジタルリテラシーの不足
中小企業の経営者や従業員の中には、ITやデジタル技術に対する知識が十分でない場合があります。この「デジタルリテラシーの不足」が、労務管理のDXを進める際の大きな障壁になります。

システムの運用が難しい:勤怠管理システムや労務管理ツールを使いこなすために、従業員のトレーニングが必要ですが、それが十分に行われないケースがあります。
新しい技術に対する抵抗:従来の紙や手作業の管理方法に慣れているため、デジタル化への抵抗感が強い従業員や経営者がいることも、DXの障害になります。

3. 人材不足
中小企業では、労務管理の担当者やシステム管理者が限られていることが多く、DXを推進するためのリソースが不足しがちです。

専門知識を持つ人材の不足:ITやDXの導入を主導できる専門家がいないため、システム選定や導入、運用が滞ることがあります。
既存の人員での対応が困難:人手が限られているため、日常業務をこなしつつ、新しいシステムの導入・運用にまで手が回らないことが多いです。

4. 既存の業務プロセスとの調整
労務管理のDXを進めるためには、既存の業務フローや就業規則を見直す必要がありますが、中小企業ではその作業が負担となり、導入が遅れることがあります。

既存システムとの統合問題:既に使っているシステムやデータベースと新しいDXツールとの互換性がない場合、システムの導入が難航します。
業務プロセスの変更に対する抵抗:長年続けてきた業務フローを変えることに対して従業員が抵抗し、結果としてDXの推進が遅れることがあります。

5. 法令・規制への対応の複雑さ
労働法や就業規則の変更に伴う対応が中小企業にとって負担となることがあります。特に、法令順守の観点から新しいシステムが適切に機能するかを確かめる作業は、リソースが限られた企業にとって大きな負担です。

法令順守への不安:新しいシステムが労働基準法などの法令に適合しているかどうか、システムの使い方が法的に問題ないかを確認するプロセスが複雑なため、導入に慎重になることがあります。

6. 経営層の理解不足
中小企業の経営者がDXの必要性や効果を十分に理解していない場合、DXの推進が停滞することがあります。

DXの効果が見えにくい:労務管理のDXは労働時間や人件費の削減などの長期的な効果が期待されますが、短期的な利益に直接結びつかないため、経営層の理解や投資決定が遅れることがあります。

まとめ
中小企業における労務管理のDXの推進を妨げている主な要因は、コスト負担、デジタルリテラシーの不足、人材不足、既存の業務プロセスとの調整の難しさ、法令対応の複雑さ、そして経営層の理解不足です。しかし、これらの障壁を乗り越えることで、効率的な労務管理と従業員の働き方改革が実現し、企業全体の競争力向上に繋がります。
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