佐賀県内での労働基準法違反に関する状況が報告されています。以下、ポイントをわかりやすく説明します。
1. 調査結果の概要
佐賀労働局が昨年度(2023年度)、長時間労働が疑われる402事業所を調査しました。
**171事業所(約42.5%)**で違法な時間外労働が確認されました。
2. 違法な時間外労働の詳細
過労死ライン超え(1か月の残業80時間以上):
58事業所で確認されました。
さらに、その中で100時間超えが39事業所ありました。
最も長い残業時間は168時間に達しました。
(これは、1か月で約21日勤務とすると、1日平均約8時間以上の残業に相当します。)
3. その他の労働基準法違反
健康管理不足:
健康診断などの健康管理対策を講じていない事業所が77か所ありました。
これにより従業員の健康が十分に守られていない状況です。
未払い残業代:
残業分の賃金を支払っていない事業所が25か所確認されました。
従業員にとって経済的な不利益が生じています。
4. 労働局のコメント
佐賀労働局は、以下のように述べています:
コロナの影響は軽減:
コロナ禍で生じたような短期的な業務集中は減ったものの、一部の事業所では依然として労働時間管理が不十分です。
法律の周知と指導を強化:
労働時間に関する法律を事業所に理解させ、長時間労働の是正に取り組む姿勢を示しています。
5. 背景と課題
過労死ライン:
1か月80時間以上の残業は、過労死のリスクが高まる目安とされており、従業員の健康や安全に深刻な影響を与えます。
労働基準法違反の影響:
長時間労働や未払い賃金は、従業員の疲労蓄積やモチベーションの低下、最悪の場合、健康被害や退職につながります。
6. 今後の展望
労働局は、法律の遵守を促すだけでなく、事業所の労務管理体制の改善を支援していく必要があります。
企業は、適正な労働時間の管理や健康診断の実施、そして正当な賃金の支払いを確実に行う責任があります。
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