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副業と労災保険の関係について

労務管理

副業と労災保険の関係について

2025年2月28日
副業と労災保険の関係について詳しく解説

副業・兼業が広がる中、労災保険との関係については特に注意が必要です。厚生労働省の通達(平成30年9月7日基発0907第1号)によって、副業・兼業者の労災給付の取り扱いが明確化されました。具体的には、以下の3つのポイントが重要です。

1. 労災保険の適用範囲
労災保険は、労働者が業務上の事由または通勤により負傷、疾病、障害、死亡した場合に適用されます。副業・兼業をしている場合、どの事業場で発生した災害かによって取り扱いが異なります。

① 本業・副業それぞれの事業場で個別に適用
副業・兼業のどちらの事業場でも「労働者」として雇用されている場合、それぞれの事業場で労災保険が適用されます。したがって、業務中の災害が発生した場合、その発生した事業場の労災保険を利用することになります。

② 業務災害が発生した場合
A社(本業)とB社(副業)の両方で雇用されている状態で、A社で業務災害が発生した場合、A社の労災保険が適用されます。
B社で発生した場合は、B社の労災保険が適用されます。

③ 通勤災害の取扱い
通勤災害に関しては、合理的な経路・方法での移動であれば労災認定されます。ただし、副業と本業の間を移動する際の事故については、ケースによって認定が分かれます。

2. 副業・兼業者の給付の考え方
副業・兼業をしている労働者が労災認定を受けた場合、特に休業補償や障害補償について、従来の制度では不公平が生じる可能性がありました。このため、平成30年の通達により、次のような取り扱いが定められました。

① 休業(補償)給付の算定方法
通常、休業補償給付は**災害発生前3か月間の平均賃金(給付基礎日額の60%)**が支給されます。しかし、副業・兼業者の場合、休業したことによる影響は複数の職場に及ぶため、新たな算定方法が設けられました。

副業・兼業の場合の給付基礎日額
➡ 全ての事業場の賃金を合算して給付基礎日額を計算

A社(本業):月給30万円
B社(副業):月給10万円
労災発生がA社であってもB社であっても、30万+10万=40万円が基礎賃金となる。
この取り扱いにより、副業の収入も含めた適切な補償が受けられるようになっています。

② 障害補償給付・遺族補償給付の取扱い
障害補償年金や遺族補償年金の算定においても、すべての就労先の賃金を合算して給付基礎日額を計算します。

3. 労災保険加入の注意点
副業・兼業者の増加に伴い、事業主が意識すべき点もあります。

① 事業主の責任
事業主は雇用している労働者について適切に労災保険に加入させる義務があります。
副業・兼業を認める場合、安全配慮義務の観点からも労働時間の管理が重要となります。

② 特別加入制度の活用
フリーランスや個人事業主で副業を行っている場合は労災保険の適用対象外ですが、一部の業種では特別加入制度を利用できます。

4. 具体的な事例と労災適用の判断
ケース①:副業先で負傷し、本業を含めて就労不能になった場合
➡ 副業先の労災保険から給付されるが、休業補償は本業+副業の賃金を合算して計算される。

ケース②:本業から副業先への移動中に交通事故
➡ 事業場間の移動が「通勤」に該当するかどうかで労災適用の可否が決まる。

通勤経路として合理的なら労災認定
途中で寄り道などがあれば認定されない可能性も

5. まとめ
副業・兼業者も各事業場で労災保険の適用を受ける。
休業補償や障害補償は全事業場の賃金を合算して計算される。
通勤災害はケースによって労災適用の可否が分かれる。
事業主は労災適用の範囲を正しく理解し、労働時間の管理も適切に行う必要がある。
このように、副業・兼業と労災保険の関係は複雑ですが、適切な対応を取ることで労働者の安全と補償の公平性が確保されます。

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