【概要】
事件の内容:
東京都の弁当製造会社「株式会社○○○○○」が、労働者に対して法律で定められた上限を超える時間外労働をさせていたとして、東京・青梅労働基準監督署が同社と現場責任者を労働基準法違反(第32条:労働時間)の疑いで検察に書類送検したという事件です。
【法律上の問題点】
■ 労働基準法 第32条
これは「労働時間は原則として1日8時間・1週40時間を超えてはいけない」とする基本ルールです。
しかし、例外的に「36協定(サブロク協定)」を結べば、時間外・休日労働が可能になります。
■ 今回の36協定の内容
会社はこの36協定で、**「1か月45時間までの時間外労働」**を定めていました。
【実際に起きたこと】
期間: 令和6年5月21日~6月20日
実態: 労働者1人が最大87時間の時間外労働をしていた
差: 協定で定めた45時間の上限を42時間オーバー
【どんな仕事だったのか?】
その労働者は、弁当の調味料などを量って「バーベキューソースを調合する作業」をしていました。
しかし、その仕事は「属人化」=その人にしかできない作業になっていたため、1人に負担が集中し、長時間労働になってしまったというのが労基署の見立てです。
【書類送検とは?】
「書類送検」とは、警察や労基署などが事件の証拠書類をそろえて、検察に提出することです。
今回は、**会社と現場責任者(管理職)**の両方が対象になっています。
【なぜ問題なのか?】
労働者の健康を害する可能性がある長時間労働
36協定を守らなければ違法となる
管理体制がずさんで、人手不足・業務の属人化が放置されていた可能性
【企業が学ぶべき点】
36協定を超える労働は絶対にNG
業務の属人化はリスク(特定の人にしかできない仕事にしない)
定期的な労働時間チェックと業務分担の見直しが必要
労基署は、単月の違反でも厳しく対応していることに注意
労務管理についてのご相談・お問合せ先
赤津社会保険労務士事務所
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