「無期転換ルール」と、定年後再雇用のケースで例外的にそのルールを適用しないでよくなる「第二種計画認定(有期特措法に基づく特例)」について
❶ 無期転換ルールとは?
▶ 概要
「無期転換ルール」は、有期契約で働いている方(パート・契約社員・アルバイトなど)が、同じ会社で通算5年を超えて働いた場合に、本人が申し込めば無期契約に転換できるというルールです。
📌 法的根拠:労働契約法第18条(2013年4月1日施行)
▶ ポイント整理
項目 内容
対象者 有期労働契約者すべて(名称問わず)
通算契約期間 更新を含めて5年を超えた場合
転換方法 労働者が「無期転換を申し込む」ことで実現
企業側の義務 申し込みがあれば拒否できない(契約内容は別途協議)
【例】
契約社員Aさん:2019年4月から1年契約で毎年更新中 → 2024年4月で6年目 → 無期転換を申し込めば企業は受け入れる必要があります。
❷ 有期特措法に基づく「第二種計画認定」について
無期転換ルールには**例外(特例)**が認められています。それが「第二種計画認定」です。
▶ 対象となる労働者とは?
定年後に再雇用される有期契約労働者が対象です。たとえば以下のような方々:
60歳で定年 → その後も嘱託社員などとして再雇用された方
再雇用契約が1年ごとの有期契約で更新されている
本来はこのような方にも「無期転換ルール」が適用されますが、以下の条件を満たせば例外的に適用しないことができます。
▶ 特例(無期転換ルールの適用除外)を受ける条件
条件 内容
① 適切な雇用管理計画を作成 再雇用の方への雇用管理や処遇の方針などを明記した計画書
② 都道府県労働局長の認定を受ける 第二種計画として労働局に提出・認定
③ 労働者へ書面で明示 「この契約は無期転換ルールの特例対象です」と書面で説明
📌これにより、定年後に再雇用された人については無期転換申込み権が発生しなくなります。
▶ 注意すべき点
「無期契約で定年を迎えた人」が再雇用された場合に限り対象となります。
→ 最初から有期契約で働いている方や他社からの再雇用者は対象外。
毎回の契約更新時に「特例の対象である」と明示する必要があります(口頭ではNG)。
❸ 実務上の対応イメージ
対応内容 説明
✅ 雇用契約書の確認 無期転換申込権が発生する契約者がいないかチェック
✅ 定年前後の雇用形態の整理 再雇用者の契約が有期なら、特例を使うかどうか検討
✅ 第二種計画の作成・申請 所轄の労働局に様式をもとに申請書類を提出
✅ 書面での特例明示 契約書または別途通知書にて、労働者に特例適用を明示
まとめ
用語 内容
無期転換ルール 同一企業で通算5年超の有期労働者は、無期契約へ転換可能(労働契約法第18条)
第二種計画認定 定年後の再雇用者に対して、無期転換ルールの特例を適用する制度(有期特措法)
特例適用の条件 ①計画作成 ②労働局認定 ③労働者への明示
「第二種計画認定(有期特措法に基づく特例)」についてのご相談・お問合せ先
赤津社会保険労務士事務所
代表:赤津秀夫
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