🔷【通勤労災】とは?
通勤途中のケガや事故に対して、労災保険から補償を受けられる制度です。
✅【正式名称】
労働者災害補償保険法における「通勤災害」
🔶【役割】~なぜ必要か?
✔ 労働者を守るため
通勤は業務そのものではないものの、「会社に行くための不可欠な行動」とされ、
事故に遭っても 自己責任だけでは済まされない という考えから、保険制度で保護します。
✔ 安心して働ける環境づくり
通勤災害が補償されることで、労働者は安心して会社へ通うことができ、企業の安全配慮義務の一環ともなります。
🔷【補償の対象になるケース】
✅ 基本的に「合理的な経路および方法」での通勤中が対象です。
ケース 対象になるか 補足
自宅 ⇔ 会社(通常の経路) ✅ 最も一般的な通勤
自宅 ⇔ 保育園 ⇔ 会社 ✅ 日常生活上やむを得ない寄り道はOK
寄り道してカフェや遊びに行く ❌ 私的行為は対象外
二重就業者がA社からB社に移動中 ✅ 就業のための移動は対象
🔶【補償内容】~受けられる主な給付
給付の種類 内容 備考
療養(補償)給付 通院・入院などの治療費全額を労災が負担 保険証は使わず、「労災扱い」で請求
休業(補償)給付 仕事を休んだ場合、給料の約8割を支給 休業4日目から支給(最初の3日は会社が対応)
障害(補償)給付 後遺障害が残った場合に等級に応じて支給 一時金または年金
遺族(補償)給付 死亡した場合、遺族に年金または一時金 葬祭料も支給される
通勤災害特別支給金 上記の給付に加え、特別に上乗せされる給付 通勤災害に限らず支給対象あり
🔷【注意点】
私的な理由の外出中の事故(例:買い物、寄り道) → 原則対象外
通勤経路を著しく逸脱・中断して事故に遭った場合 → 原則対象外
(ただし、やむを得ない事情での逸脱・中断は例外的に対象)
🔶【具体例】
✅ 事例①:自転車通勤中に交通事故
→ 労災認定。治療費は全額補償、休業4日目以降は給与の8割支給。
✅ 事例②:子どもを保育園に送った後に出勤中にケガ
→ 「やむを得ない日常生活上の行為」なので通勤と認められ、労災適用。
❌ 事例③:会社帰りに映画を見て帰宅中に転倒
→ 私的行為のため、通勤災害には該当しない。
✳補足:申請のポイント
申請は労働者→会社→労基署の流れが基本
通勤ルートや事故状況の説明資料(地図・診断書など)を添付するとスムーズ
労災が認定されるかどうかは労働基準監督署が最終判断
通勤労災についてのご相談・お問合せ先
赤津社会保険労務士事務所
代表:赤津秀夫
〒640-8137 和歌山県和歌山市吹上3-1-39
TEL:073-425-6205
E-Mail:akatu-h@leaf.ocn.ne.jp