労務管理における「出張」について
、法的な定義と実務上の扱いをご説明いたします。
## 出張の定義
**出張**とは、労働者が使用者の命令により、通常の就業場所以外の場所で業務に従事することをいいます。
### 出張の要件
1. **使用者の命令による**
- 会社からの指示・命令があること
- 労働者の自発的な移動ではない
2. **通常の就業場所以外**
- 本社・支社・営業所など、通常勤務する場所以外
- 客先、会議会場、研修施設など
3. **業務目的**
- 営業活動、会議参加、研修受講、工事現場での作業など
- 私的な用事ではない
## 出張の種類
### 1. 日帰り出張
- 当日中に帰社・帰宅する出張
### 2. 宿泊出張
- 1泊以上の宿泊を伴う出張
### 3. 長期出張
- 数週間から数か月にわたる出張
## 労働時間の取扱い
### 出張中の労働時間
- **移動時間**: 原則として労働時間(ただし、通常の通勤時間相当分は除く場合がある)
- **業務時間**: 客先での打合せ、会議等は当然労働時間
- **待機時間**: 指示待ちなどは労働時間となる可能性
### 休日・深夜の取扱い
- 法定休日の出張は休日労働
- 22時〜5時の移動・業務は深夜労働
## 出張に関する会社の義務
1. **出張命令権の根拠**
- 労働契約書または就業規則に出張に関する規定が必要
2. **安全配慮義務**
- 出張先での安全確保
- 適切な宿泊場所の手配
3. **費用負担**
- 交通費、宿泊費、日当等は会社負担が原則
## 実務上の注意点
- 出張の定義や取扱いは就業規則で明確化することが重要
- 出張旅費規程の整備
- 労働時間管理の明確化
- 36協定の適用(時間外・休日労働が発生する場合)
労務管理における「出張」についてのご相談・お問合せ先
赤津社会保険労務士事務所
代表:赤津秀夫
〒640-8137 和歌山県和歌山市吹上3-1-39
TEL:073-425-6205
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